「窓やサッシの滑りが悪くなった」
「ドアを開け締めすると床をこする」
「障子やふすまを張り替えたい」
など、建具の不具合に伴う悩みはさまざまです。この記事では建具の調整や修理の方法について、プロのアドバイスをもとに詳しくご紹介していきたいと思います。
建具の調整に関して「どこに頼めば良いの?」「そもそも自分で出来ないの?」と疑問に思っている方はぜひ参考にしてみてください。
建具(たてぐ)とは?
一般的にドアやサッシ、襖、障子、網戸など、建物の躯体(くたい)以外の部分を総じて「建具(たてぐ)」と言います。柱や壁などを除いたほとんどが建具に含まれるので、建具に関する不具合や悩みは多岐に渡ります。
中には、「そこまで大掛かりではないけど自分で出来るか心配」といった、判断が難しい修理や調整が生じるケースも少なくありません。
こうした家の中のちょっとした不具合をはじめ、建具の取り付けや交換といった悩みに至るまで一括して相談にのっているのが建具屋さんです。
問い合わせが多い建具の悩み5選
ここからは、実際に建具屋さんに寄せられるお悩みや相談の中から、特に問い合わせが多い代表的な5つを見てみましょう。
1.襖(ふすま)・障子の張替え
襖や障子の張替えは、実際の問い合わせで最も多い悩みのひとつです。建具屋さんにお願いする際の費用は、1枚につき4,000~1万円前後が目安です。なお、襖の種類や張り替えに使う素材によって金額が異なります。中でも、「鳥の子(とりのこ)」といわれる高級和紙は比較的値段が高いです。
また、襖は張り替えではなく、上から重ねて貼るのが一般的です。何度も重ねて貼っていると最終的には下地が破れてしまい、完全に張り替える必要が出てきますが、数回程度は上から新しい襖紙をはって、余分なところをカットするだけで対応ができます。そのため、ご自身で張り替えをされる方も多いです。
また、襖紙は、粘着タイプやアイロンによる接着、水やハケを使う物など種類が豊富です。家庭用に必要な工具がセットになった物もあるのでお好みの方法を試してみてはいかがでしょうか。
襖の張替え方法はYoutubeの動画でも解説されているので、気になる方はチェックしてみてください。
一方、障子紙は古い紙をきれいに取り除いてから貼ります。基本的には襖紙と同じように枠に合わせて新しい障子紙を張っていきますが、障子紙は温度変化で伸び縮みする場合があるので、たるみを防ぐために20度前後の室内で張替えをするのが良いと言われています。障子も襖と同様ご自身で張替をされる方が多いようです。
障子紙の張替えの方法はYoutubeの動画でも解説されているので、気になる方はチェックしてみてください。
参考 襖(ふすま)の張り替えにかかる費用相場は?リフォーム前に知っておきたいポイント定額リフォームのリノコ2.網戸の張替え
網戸の張り替えもまた、お問合せが多い悩みの一つです。建具屋さんにお願いする際の費用の目安は、1枚あたり3,000円~7,500円前後です。
ちなみに、網戸を張っている部分は、襖や障子と違って粘着性ではありません。枠に沿って「押さえゴム」といわれるストッパーのような物を埋め込んで張り合わせます。そのため、アイロンや水などを用意する必要がなく、基本的には「網戸ネット」と「押さえゴム」、あとはいくつか工具があれば簡単に交換ができるので、ご自身で張替えをされる方も多いです。
網戸の張替えの方法はYoutubeの動画でも解説されているので、気になる方はチェックしてみてください。
なお、必要な工具が一式セットになったものがホームセンターなどで売られているので、お急ぎの方や費用を抑えたい方はぜひチャレンジしてみてください。
参考 網戸張替え料金相場は3,000円〜7,500円くらしのマーケットマガジン3.滑りが悪くなったサッシの調整
窓やッシに関する不具合で多いのは、「滑りが悪い」「鍵が掛かりづらい」といった症状です。これは、サッシ周りの木材が調湿効果によって伸び縮みしたり、地震などの影響で少しずつ周辺の木材が歪んだりするのが原因だと言われています。そのほか、サッシ内の「戸車」が風化により割れてしまっているケースも少なくないです。
建具屋さんに調整をお願いする際の費用は、不具合の原因によって異なりますが、目安は1万円~数万円前後です。
調整ネジの調節方法
窓の側面にはサッシの高さを変えることができる「調整ネジ」が付いている場合があります。
素人の目では判断が難しいですが、症状によっては調整ネジを回すだけでサッシの滑りが良くなるケースがあります。 また、鍵が締まりにくい時はクレセント受けの高さを調整することで改善できる場合があります。いずれもドライバー1本で出来る作業なのでご自身でチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ただし、判断を誤ると逆に症状がひどくなってしまうリスクがあるので、ご自身でやる際は状況を見て慎重に作業するようにしましょう。ご不安な方は、無理せず専門の業者さんに依頼してください。
調整ネジの調節方法はYoutubeの動画でも解説されているので、気になる方はチェックしてみてください。
参考 ガタツキやスキマを直すYKK AP株式会社4.締まりが悪くなったドアや扉の調整
ドアや扉は「蝶番(ちょうばん・ちょうつがい)」で支えられていますが、時間の経過と共に蝶番が緩んでドアが締まりづらくなるケースがあります。この場合、蝶番のネジやレンチを正しい方向に回すことで症状が改善でる場合があります。
なお、ドライバーとサイズの合う六角レンチがあれば簡単に作業が可能です。ただし、「枠に干渉する」また「すぐに開いてしまう」など、症状に合わせて調整しなければならないので少し技術が必要です。
蝶番の調節方法はYoutubeの動画でも解説されているので、気になる方はチェックしてみてください。
蝶板で調整が出来ない時は?
ドア枠やその周辺に歪みが生じている場合は、ドアの上下をカンナでドアを削るといった対応が必要になるケースがあります。蝶板の調整だけであれば、出張費と簡単な作業費だけで済むケースがほとんどですが、状況によっては詳しい見積りが必要です。
5.建具の取り付けや交換
古くなった建具は交換が必要です。ただし、簡単な設備なら良いですが、中には水平を見極めて正しく取り付けなければならない建具もたくさんあります。くれぐれも無理はせずに、不安な方は建具屋さんに取り付けをお願いしましょう。
また、新しく新調する際は、建具の機能をグレードアップしてみるのもおすすめです。
例えば、「ペアガラス」という二重構造の窓は、断熱性に優れているので、結露を起こしにくく、空調設備の負担を減らしてくれるので省エネにも期待ができます。
引用:複合ガラス|YKKap
また、職人さんの技術で一からつくり上げるオーダーメイドの建具を「造作」と呼びます。気になる方は、建具屋さんに直接お願いしてオリジナルの建具を作ってもらってはいかがでしょうか。
業者選びのポイント
「やっぱり自分で建具を調整するのは不安」という方は、建具屋さんにお願いしましょう。建具の調整を業者さんにお願いすると決めたら、何よりもまず症状を見てもらうのが先決です。 場合によっては、気づいていない場所で別の不具合が生じてしまっているケースもあります。症状を見てもらう時は、経緯や状況をきちんと伝えて正しい判断をしてもらいましょう。
でも、「初めて問い合わせる業者さんには頼みづらい」、「近くに建具屋がない」という方は、お付き合いのある工務店さんに相談してみてください。
また、職人さんによって建具に関する知識や技術は異なります。なので、ご不安な方は複数の業者さんに見てもらって、比較しながら決めるのも良いでしょう。特に、地方によって「造作」などの技術は異なる場合があります。「新しい建具を作ってもらおう」とお考えの方は、依頼する職人さんを慎重に選びましょう。
建具の調整にかかる費用についてのまとめ
この記事では建具の調整や修理の方法を種類別に、代表的なものをいくつかご紹介しました。
建具の不具合は、時間の経過や対処の仕方によって症状がひどくなってしまうケースがあります。判断が難しい時は、無理せず早めにお近くの建具屋さんに相談してみてください。
板橋区を拠点に地元愛を大切にしながら家づくりを手掛けている「三江建設」さんでは、新築やリフォームはもちろん、建具などの住まいに関する悩み全般をサポートされています。お近くでお困りの方は、ぜひ相談してみてください。