お家を建て替えるか迷ったときは、建物の安全性を目安にすると間違いがありません。老朽化が進んだお家は、大きな地震や台風によって崩れる危険が常に付きまといます。
具体的には、耐用年数や耐震基準など、国が定めた明確な基準を目安とするのがオススメです。そこで、本記事では建て替えの目安となる建物の安全性について紹介します。
なぜ建物の安全性を建て替えの目安とするのか?
建て替えの目安としては、耐用年数や耐震基準、統計データによる建物の平均寿命などがあります。特に、耐用年数と耐震基準は国が定める基準なので、信頼性が高いのが特長です。
一般的には、築30年が建て替え時期の目安といわれますが、実は明確な根拠がありません。耐用年数や耐震基準は法令に基づいているので、築年数や建築年月日によって判断できます。
そこで、統計データによる建物の平均寿命を確認したうえで、耐用年数や耐震基準が建て替えの目安となるのか一緒に考えてみましょう。
統計調査によると建て替えの目安は築65年
実際に建物の平均寿命を調査したデータによると、木造住宅の寿命は65年です。上記のデータは、国土交通省が公開しています。
実は、下記のように木造住宅の寿命は年々伸びています。
調査した年 | 木造住宅の寿命 |
---|---|
1997年 | 43.53年 |
2006年 | 54.00年 |
2011年 | 65.03年 |
しかし、上記のデータは解体されないまま放置されていた空き家を含んでいます。家屋が解体されたタイミングを寿命として計算しているので、「木造住宅なら目安で65年間住める」わけではありません。
耐用年数によると建て替えの目安は築22年
法定耐用年数をもとに計算すると、木造住宅は22年で資産価値がほとんど無くなります。
法定耐用年数は、財務省(国税庁)がはっきりと定めています。住宅の場合、以下のように構造ごとに耐用年数が決まっています。
住宅の法定耐用年数一覧
建物の構造 | 法定耐用年数 |
---|---|
木造・合成樹脂造 | 22年 |
木骨モルタル造 | 20年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造・ 鉄筋コンクリート造 | 47年 |
れんが造・石造・ブロック造 | 38年 |
でも、資産価値が無くなったからといって、必ずしもお家に住めなくなるわけではないですよね?なので、法定耐用年数は建て替える目安にはなるものの、決め手にはなりません。
耐震基準によると建て替えの目安は築40年
耐震基準で判断した場合、2019、2020年時点で築40年を迎えたお家は建て替えるべきです。1981年5月31日以前に建てられたお家は、地震に弱い可能性が高いからです。
実は、耐震基準は今と昔で大きく異なり、特に1981年の建築基準法の大改正で耐震基準が大幅に厳しくなっています。(建築基準法 第20条)
時期 | 耐震性の目安 | |
---|---|---|
旧耐震基準 | 1981年5月31日以前 | 震度5強クラスで倒壊しない |
新耐震基準 | 1981年6月1日以降 | 震度6強クラスで倒壊しない |
なので、お家が1981年5月31日以前に建てられたのなら、建て替えを検討してみましょう。
建築年月日の確認方法
もし、建築年月日を忘れてしまった場合もご安心ください。ご自身で建築年月日を調べる方法はあります。一般的には、以下の書類に建築年月日が載っています。
- 重要事項説明書……売買契約などの前に、不動産に関する注意点を一般契約者に伝える書類
- 検査済証……建物が建築基準法の基準を満たしていることを証明する書類
- 登記事項証明書(登記簿謄本)……不動産の概要(面積等)や権利(所有者等)といった登記情報が載った書類
重要事項説明書と検査済証は、新築したときなどに受け取る書類です。なので、通常はご自宅に保管されています。
万が一、重要事項説明書と検査済証が見つからない場合でも、法務局から登記事項証明書を取り寄せれば建築年月日は分かります。登記事項証明書の取得については、以下の法務局ホームページで手続きができます。
画像引用元:法務局|登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です
紹介した書類のうち1点をチェックして、今の住まいの建築年月日を確認してみましょう。
建て替え時期と費用の目安についてのまとめ
目安として、1981年5月31日以前に建てられたお家は建て替えるのがオススメです。旧耐震基準で建てられていると、震度6以上の大地震に耐えられない危険があるからです。
もし、建築年月日が分からない方は、「建築年月日の確認方法」の項目をもう一度チェックしてみてください。
まずは建築年月日を目安にして、建て替えすべきか判断してみましょう。
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