絶対に残したい人以外は植え付けがオススメ!建て替えの庭木事情とは?

建て替えを検討される際、庭木の処遇に悩まれる方は多くいらっしゃいます。

全部伐採するのも気が引けるけど、木を処分しないと建て替えができない
新しく植え付けるか、そのまま植え替えるか、どっちが良いか分からない

など、庭木に関するお悩みは尽きません。

本記事では、建て替え時における庭木の適切な取り扱いについてご紹介します。 庭木でお困りの方は、ぜひご覧ください。

今ある庭木を処分して、新しい木を植え付けたい!

建て替え工事と一緒に今ある庭木を処分して、新しく木を植え付ける場合は、時期が非常に重要です。 木はとても繊細なので、扱いを少し間違えるだけでも枯れてしまいます。

伐採と植え付けを行う場合は、正しい扱い方を心がけましょう。

木の種類は「常緑樹」と「落葉樹」

正しい木の扱いを覚えるために、まずは木の前提知識を確認していきましょう。

大きく分けて、木の種類には「常緑樹(じょうりょくじゅ)」と「落葉樹(らくようじゅ)」があります。

常緑樹と針葉樹

【常緑樹】……秋になっても落葉せず、一年中枝や幹に葉が付いている樹木。
代表的な木)ツバキ、ツツジ、ジンチョウゲ、ツゲ、マサキ、クスノキ、アカシア、ユーカリ、シャクナゲ、クロガネモチなど

【落葉樹】……ある季節になると定期的に葉を落とす樹木。春になるとまた新しい葉を付ける。 代表的な木)イチョウ、ヤマモミジ、メタセコイア、ラクショウ、ウメ、サクラ、サルスベリ、ザクロ、ハ
ナミズキなど

正しい植え付けの時期を調べるには、植えたい木が常緑樹か落葉樹かを明確にする必要があります。 下記のサイトでは、あらゆる樹木がどの種類に該当するかが調べられますので、活用してみてください。

参考 庭木図鑑 植木ペディア植木ペディア

緑葉樹は梅雨、落葉樹は冬がおすすめ

そして、緑葉樹と落葉樹には、それぞれ適した植え付け時期が存在します。

緑葉樹の植え付けは、梅雨の前半

緑葉樹を受け付ける場合は、梅雨の前半がおすすめです。 水分が豊富な季節なので、根を早く土に付かせて栄養分を良く吸わせることができます。

なぜ梅雨の前半なのかというと、真夏に突入してしまうと高温と乾燥により土壌が枯れやすいためです。 夏が来る前に終わらせられるようにしましょう。

落葉樹の植え付けは、冬の早い時期

落葉樹を植え付ける場合は、冬の早い時期がおすすめです。 落葉樹は冬になると休眠状態に入るため、この時期に植え付けると樹木へのダメージが少なくて済みます。

反対に春~夏は活動の時期に入るため、移植には向いていない時期と言えます。

庭木は、解体工事と一緒に伐採できる

建て替え工事をする場合、まずは解体工事を行いますが、庭木は建物と一緒に取り壊すことができます

なので、庭木を取り壊す時は解体業者へ相談しましょう。

一般的な樹木の撤去費用は20万円前後

解体工事において、樹木の撤去費用は大体20万円前後です。 ただし、業者さんによっては1本単位で見積りをしたり、トラック1台分で見積りを出したりするため、価格帯には差があります。

また、撤去する樹木の本数が多いほど費用も高くなりますのでご注意ください。

解体工事が終わったら、造園屋へ連絡

解体工事が終わり、新しい木を植える場合は造園屋さんや外構工事業者さんへ連絡してみましょう。 植える木によって費用は変わりますが、人件費や土壌づくりなどを含めてだいたい1本10万円~20万円くらいが相場です。

おすすめの庭木を紹介

次は、どんな庭木を新しく植えたらいいのかをご紹介します。 ご自身の好みに合わせて、素敵な木を植えてみましょう。

家の象徴として、風格を大事にするなら

クロガネモチ

クロガネモチの木

引用:花のない庭に赤い実が魅力的。クロガネモチの復活物語 | エバーグリーン植物図鑑・Q&A

庭木はよく、シンボルツリーとして植えられることがあります。

シンボルツリーとは
住まいの象徴となる木で、お家を視覚的に引き立てる役割を担います。また、ある程度の大きさがあるので、プライバシーの保護にも役立つ存在です。

シンボルツリーとして活用するなら、一年中緑が絶えない常緑樹がオススメです。 また、ある程度の背丈と風格があり、住宅にマッチしやすい種類を選んでみましょう。

シンボルツリーにオススメの庭木
  • クロガネモチ(黒鉄黐)
  • 10m~15mくらいの常緑広葉樹。名前からお金持ちになるという縁起物でもある。
  • アラカシ(粗樫)
  • 20mにもなる常緑広葉樹。どんぐりが成る。
  • ツバキ(椿)
  • 5~6m程度の常緑広葉樹。品種が多く、色とりどりの花を咲かせる。
  • キンモクセイ(金木犀)
  • 5~6m程度の常緑広葉樹。日当たりや養分の多い土壌を好むので、扱いが少しむずかしい。
  • ウメ(梅)
  • 手入れ次第で3m~30mまで好きな高さにできる落葉樹。春に咲く可愛らしい花と香りが魅力。
  • オリーブ
  • 2m~8m程度の常緑広葉樹。気候の変化や虫に強く、見た目も洋風のシンボルツリーとして人気が高い。

    鮮やかな花で家に彩りを与えたいなら

    ハナミズキ

    ハナミズキの花

    引用:ピンクハピネス | ハナミズキの森 石井実生園

    家に彩りを与えたいなら、綺麗な花を楽しめる種類を選んでみましょう。 可愛らしい花から情熱的で鮮やかな花まで、色とりどりの花を楽しめます。

    花を楽しめる庭木
  • アオダモ
  • 落葉樹。ナチュラルな樹形から綿のようなフォルムの花が魅力。
  • ハナミズキ
  • 落葉樹。赤は上を向いて鮮やかに咲く上品さがあり、白は凛と佇んでいる姿が魅力。
  • ブルーベリー
  • 落葉樹。おなじみの青い実も美しいが、花は黄色く鮮やかに咲いてくれる。
  • ヤマボウシ
  • 常緑樹。白くて形の整った花が美しい。まれに赤模様が入るものもある。
  • フェイジョア
  • 常緑樹。赤くて南国の雰囲気を持つ明かるい花。存在感がある。
  • アセビ
  • 常緑樹。淡桃の花が房状に下がって咲く特徴的な種類。ツツジによく似ている。

    今回ここでご紹介したのは、人気が高い庭木のほんの一例です。 まだまだ沢山の種類がありますので、ご自身の好みの庭木をぜひ探してみてください。

    参考 植木を選ぶ4視点-庭木としておすすめな21種類造園業専門店 新美園 参考 庭木(植木)の代表種まとめ!どんな種類があるの?HORTI 〜ホルティ〜 by GreenSnap

    今ある木をそのまま植え替えたい!

    建て替えをする際に、今生えている木をそのまま植え替えることもできます。ただし、植え替えは一度木の根を切るので、木にとっては負担がとても大きく、常にリスクが付きまとう方法です。

    そのため、よほどの思い入れが無い限りは、植え替えよりも伐採をおすすめします。 しかし、それでも植え替えたいとお考えの方へ向けて、危険性を最小限に抑える適切な方法やタイミングをご紹介します。

    植え替えは常に枯れるリスクがともなう

    まず、植え替えの際に承知しておくべきなのは、「一度木の根を切るので枯れるリスクが高い」ということです。

    木の根は栄養分を吸い取る細胞なので、水分や栄養分を一時的に摂取できなくなることは理解しておきましょう。

    では、どうやって木を枯らさずに植え替えを行うのか。 それは、「根回し」という準備作業に大きなポイントがあります。

    根回しとは
    移植の前に、あらかじめ木の根を切っておく準備作業。そうすることで土と離したまま新しい根が生えてくるので、移植をした時にちゃんと栄養分を吸い取れる。大体移植の2ヶ月前~半年前に行う。

    植え替えの直前に木を引っこ抜くと、新しい場所で根差すのに時間がかかってしまいます。 そのため、あらかじめ木の根を切り、事前に新しい根を生やしておく準備作業が「根回し」です。

    植え替えに適しているのは春秋

    植え替えの時期は一般的に春秋が理想とされています。特に夏に行うのは避けたいです。 そのため、植え替えをしたい時期から逆算をして根回しを行う必要があります。

    木の種類にもよりますが、大体2ヶ月前~半年前に根回しを行います。

    春は新芽が成熟し、成功率が高い

    春の時期は、水分の蒸発も光合成も盛んなので、すぐに新芽が成熟してくれます。 新芽が成熟すると、少し水分の供給が減っても簡単には萎れず光合成が続けられるため、比較的成功しやすくなります。

    夏は乾燥して枯れやすい

    反対に夏は、葉っぱの気孔からどんどん水が奪われ、土も乾燥する季節です。 また、冬に備えて細胞が寒さに耐える準備期間に入るので、光合成で得たエネルギーが一切余らず、木にとっては切羽詰まった時期なのです。

    そんな時期に根っこを切られて、栄養分の吸収が遅れたらどうなるかは想像に難くないと思います。

    山場を越えた秋も狙い目

    そして秋は、夏の間に必死で蓄えた貯蔵分のエネルギーがあり、発散されるエネルギーも夏ほど多くないため、植え替えが成功しやすい時期です。基本的には春秋が植え替えに適している、と覚えておきましょう。

    ちなみに、冬は寒すぎて単純に作業に向いていないため、請け負ってくれる業者さんが少ないです。 海外では厳寒期に木を凍らせたまま切って移植する方法もありますが、日本ではあまり行われない方法ですね。

    春秋が適しているという事実を把握しながら、樹の種類や年齢も踏まえて業者さんに相談するのがオススメです。

    植え替えの場合、庭師や植木屋へ依頼

    植え替えの場合は、家を取り壊す前に庭師さんや植木屋さんへ依頼をするのが一般的です。 1mにも満たない小さな木なら自身で移植する人もいますが、技術と知識が必要になるため、基本的に素人がやるのは難しい作業です。

    下記のサイトでは、植え替えに対応している庭師さんや植木屋さんを探せますので、活用されてみてください。

    参考 植木・庭木の植え替えを料金と口コミで比較! くらしのマーケット

    植え替えの価格は、木の高さによって異なる

    植え替えの場合、新しく木を用意するわけではないので、移植の難易度によって金額が変わります。 基本的には木の丈が高いほど労働力が必要になりますので、費用も高くなります。

    ひとつの価格例として、サービスの価格が明確に記されている「庭奉行」さんの料金表をご紹介します

    植え替えの価格例
    • 低木(~3m)12,000円/本
    • 中木(3m~5m)19,800円/本
    • 高木(5m~7m)49,800円/本

    引用:庭木の移植 料金表 | 庭奉行

    上記の表は業界の中でも平均的な価格で、大体の相場としては、低木が1万円前後、中木が2万円前後、高木が5万円前後と覚えておきましょう。

    建て替え時の庭木についてのまとめ

    現在植えてある木をそのまま植え替える方法は、枯れるリスクや限定された時期、準備期間の長さを考えると、あまり推奨できません。

    とはいえ、それはあくまでコストパフォーマンスのお話です。どうしても次に残したい木があったり、全部伐採するのが忍びなかったりするなら、適切な時期と方法で移植することをオススメします。

    また、一度伐採する場合はぜひ「解体無料見積ガイド」へご相談ください。

    適正な見積価格で、樹木を適切に扱える優良業者さんをご紹介します。次に植える木のことも検討しながら、建て替えの計画を進めてみましょう。

    著者情報

    コノイエ編集部

    コノイエは、東京都港区に本社を置く株式会社アールアンドエーブレインズが運営するオウンドメディアです。累計80,000人以上が利用する「解体無料見積ガイド」の姉妹サイトとして、住宅関連コンテンツを発信しています。人が生活する基本となる「衣・食・住」の中でも、コノイエでは「住」にフォーカスして独自の情報をお届けします。

    監修

    中野達也

    一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事
    解体工事業登録技術管理者
    公益社団法人 日本建築家協会(JIA)研究会員
    一般社団法人東京都建築士事務所協会 世田谷支部会員

    静岡県出身。日本全国の業者1,000社超と提携し、約10年間で数多くの現場に関与。自身でも解体工事業登録技術管理者としての8年間の実務経歴を持つ。現在では専門家として、テレビ番組をはじめとする多数メディアに出演。これまでに一般家屋はもちろん、マンション、ビルなど様々な建物の取り壊しに従事し、工事を行いたい施主、工事を行う業者の双方に精通している。また、大手から中小まで様々な規模の住宅メーカーへの販促支援、コンサルティング事業に携わり、住宅購入者心理の理解を深める。家を「壊す」ことと「作る」ことの専門家として、全国の提携パートナーと共に家をとりまく様々な問題に取り組んでいる。

    出演メディア
    ひるおび!(TBS系列)、情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)、バイキングmore(フジテレビ系列)、他多数...

    当協会の運営サイト「コノイエ」は、工務店・ハウスビルダー・建築家・建築設計事務所等の500以上のインタビュー記事を掲載。また、新築・建て替えを検討中のユーザーにとって有益となる情報を発信しています。
    当協会は、建て替えに伴うお住まいの取り壊しのご相談を年間で2,500件ほど承っており、各地域の住宅関連会社の情報が集まります。今後も「コノイエ」では、新築ユーザー様の発注先や評価、住宅関連会社様への独自インタビューといった当協会ならではの独自のリアルな情報をお届けします。


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