屋根のメンテナンスで押えておきたい基本的なポイント

使われている建材の種類にもよりますが、屋根は大体10~25年で1度、メンテナンスの時期を迎えると言われています。

万が一、メンテナンスを怠って雨漏りなどが発生してしまうと、家の寿命に影響する場合があります。くれぐれも正しい診断と適切な施工を心がけてお家を長持ちさせましょう。

この記事では、屋根のメンテナンスに関する基本的な知識について、専門家の意見をもとに分かりやすく紹介していきます。

ご協力いただいた家づくりの専門家
この記事は、東京都世田谷区を中心にお家の修理から新築・リフォームまで、住まいに関する幅広い悩みを取り扱う「K&K建築工芸」の木村さんにご協力いただいて作成しています。

K&K建築工芸 木村さん

屋根のメンテナンスは「瓦のズレ」や「塗装」、「板金の浮き」など意外と見るべきポイントがたくさんあるんですよ。

メンテナンスの目安と現状の確認

スタッフ

そもそも、屋根のメンテナンスってどれくらいの頻度でやるべきなんでしょうか?

K&K建築工芸 木村さん

屋根材の種類にもよりますが、大体10~20年もすれば建材が劣化してくるので、定期的に点検をして不具合があった時にメンテナンスをするのが一般的です。
屋根材の種類 寿命の目安
スレート屋根 15~25年
アスファルトシングル 20~30年
ガルバリウム鋼板 20~30年
日本瓦 50~100年
参考 屋根の寿命はどのくらい?知られざる耐用年数を公開屋根の寿命はどのくらい?知られざる耐用年数を公開

K&K建築工芸 木村さん

台風などの災害があった場合は別ですが、概ね10年に1回くらいのペースで点検をしてもらうのが良いと思います。

スタッフ

しかしながら、屋根の表面は下からだと簡単に見えないから厄介ですよね。とても自分では、傾斜になった屋根の上で作業をする自信はありません。

K&K建築工芸 木村さん

もちろん、ご不安な方は絶対に無理をせず、専門の業者に依頼するようにしてください。

※訪問業者の中には強引に施工をして、法外な金額を請求してくるところがあります。突然訪ねてきて必要以上に点検や修理を促してくる業者にはご注意ください。

K&K建築工芸 木村さん

ちなみに、最近は「ドローン」が普及したお陰で、目視点検だけならずいぶんと簡単にできるようになりました。
実際に使用するドローン

実際に使用するドローン。

ドローンを使った屋根点検
「K&K建築工芸」さんでは2年ほど前からドローンを使った屋根の点検を行っています。しかも、点検だけなら料金は無料とのこと。都内で屋根のメンテナンスを検討している方はぜひ相談してみてください。

K&K建築工芸 木村さん

こちらが実際にドローンで撮影した屋根の様子です。

ドローンを使った屋根の点検には、航空局の許可が必要です。K&Kさんでは申請はもちろん、対人・対物の保険にも加入したうえでドローンの操縦を行っています。

メンテナンス前の屋根

スタッフ

汚れやサビがあって劣化しているのが分かりますね。

K&K建築工芸 木村さん

そして、メンテナンス後の写真がこちらです。
メンテナンス後の屋根

スタッフ

メンテナンスのおかげですっかりキレイになったのが分かりますね。

屋根の点検をする時のチェックポイント

スタッフ

ちなみに、屋根の点検ではどんなポイントを見ていくのが良いのでしょうか?

K&K建築工芸 木村さん

チェックすべき項目はいくつかありますが、「防水」に関わる部分は特に注意が必要です。

K&K建築工芸 木村さん

万が一、屋根の内側に水が侵入してしまうと雨水で木材が腐って、耐震性に影響が出たり、シロアリが発生したりする原因になってしまいます。

「板金の浮き」には要注意

スタッフ

雨漏りに繋がる原因には、どのような症状がありますか?

K&K建築工芸 木村さん

よくあるのは「板金の浮き」と言われる症状です。
板金の場所

「板金の浮き」とは、屋根のてっぺんを覆っている板金の釘が劣化と共に抜けてしまい、板金が浮いた状態になってしまうことです。

板金の解説図

浮いてしまった板金の間からは、容易に水が侵入してしまいますし、板金が風で飛ばされてしまうと貫板が直接雨や風にさらされてしまいます。そのため、点検では板金を止めている釘のチェックが欠かせません。

スタッフ

その他にはどのようなチェック項目があるのでしょうか?

K&K建築工芸 木村さん

素材の劣化状況はもちろん、各所の釘やビスの緩み、ひび割れや部分的な穴が空いていないかも注意して見ておく必要がありますね。

素材の劣化や汚れの付着

部分的に白く劣化した屋根。サビや汚れも確認できる。

釘やビスの緩み、ひび割れの有無

ビスが緩んでおり、一部ひび割れも発生している棟瓦。

ビスが緩んでおり、一部ひび割れも発生している棟瓦。

破損や穴の有無

1.軒先が劣化して防水用の建材が露出している状態。
2.ピンホール状の穴が空いている。

スタッフ

普段は見えないのであまり気にしたことはありませんでしたが、意外と色々な症状があるんですね。

K&K建築工芸 木村さん

だからこそ定期的な点検は大切です。ご不安な方は、ぜひ現状を一度見てもらってください。
ドローンを使った屋根点検
なお、世田谷区を中心に住まいのサポートを行っている「K&K建築工芸」さんでは、ドローンによる屋根の点検が無料で受けられます。都内で屋根のメンテナンスを検討している方はぜひ相談してみてください。

※訪問業者の中には強引に施工をして、法外な金額を請求してくるところがあります。突然訪ねてきて必要以上に点検や修理を促してくる業者にはご注意ください。

光熱費がカットできる「遮熱塗料(しゃねつとりょう)」

スタッフ

その他、これから屋根のメンテナンスを検討している方にアドバイスがあればお願いします。

K&K建築工芸 木村さん

傷や凹み、汚れなどの基本的な部分をメンテナンスしてもらうのはもちろんですが、その上で余裕がある方は、ぜひ屋根全体の「塗装」も検討してみてください。 特に好評なのは「遮熱塗料」を使った塗装ですね。

塗装は防汚効果を高めて、屋根の寿命を伸ばしてくれる効果があります。 さらに、遮熱塗料で施工した屋根は室内に侵入する外気の影響を抑え、エアコンなどの空調設備の負担を減らしてくれるのが特徴です。

遮熱塗料の省エネ事例

一般的な戸建て住宅で遮熱塗料を導入した結果、電気代が安くなったという事例があります。(屋根と屋外の合計200㎡を塗り替え)

年/月 施工前 施工後 年/月 施工前 施工後
7月 14,240円 10,176円 12月 24,505円 19,958円
8月 14,169円 9,805円 1月 20,562円 13,423円
9月 11,084円 8,289円 2月 14,912円 10,800円
合計 39,493円 28,270円 合計 59,979円 44,181円
差額 ▲11,223円 差額 ▲15,798円

参考:断熱セラミックGAINAガイナ施工事例(省エネ編)|株式会社日進産業

なお、遮熱塗料は各地域の自治体からもその効果が認められていて、「脱炭素化社会を見据えた環境への配慮になる」といった見方から、導入に掛かる費用を一部負担してくれる補助金制度が設けられています。

参考 令和3年度 世田谷区環境配慮型住宅リノベーション推進事業補助金について | 世田谷区ホームページ世田谷区ホームページ

スタッフ

「遮熱塗料」というのは初めて聞きましたが、割と一般的なのでしょうか?

K&K建築工芸 木村さん

宇宙船ロケットに使われている素材から開発された、「GAINA(ガイナ)」を使った塗装だといえばご存知の方は多いですよ。

遮熱塗料の中でも評判な「GAINA」は、打ち上げ時の熱から宇宙船の機体を守るために用いられている高い遮熱技術を転用して開発されたといわれています。

引用:製品情報|GAINA

遮熱塗料の導入コスト
「遮熱塗料」は長期的に見ればランニングコストを抑えられますが、一般的な塗料と比べると導入コストは割高です。
塗料の種類 金額の目安(25坪の家屋を想定)
一般的な塗料 40~60万円
遮熱塗料 90万円前後

スタッフ

屋根はいつも日射や雨風にさらされるので、長期的な視野でみるとメンテナンスが重要なのが分かりますね。電気代を抑えてくれる遮熱塗料も、ぜひ視野に入れて検討したいですね。

屋根のメンテナンスについてのまとめ

この記事では、屋根のメンテナンスが必要なタイミングや注意すべきポイントをご紹介しました。 大型の台風の後は、屋根の修理業者さんが足りなくなってしまうこともあるといいます。屋根の補修や修繕は、なるべく余裕があるうちに事前に備えておきたいですね。

今回ご協力いただいた家づくりの専門家

K&K建築工芸の木村社長

今回ご協力いただいた「K&K建築工芸」の木村さんは風水建築士としても活動されており、「健康にそして快適に過ごして欲しい」という想いで家づくりをされています。住まいに関する悩みでお困りの方は、ぜひ相談してみてください。

著者情報

コノイエ編集部

コノイエは、東京都港区に本社を置く株式会社アールアンドエーブレインズが運営するオウンドメディアです。累計80,000人以上が利用する「解体無料見積ガイド」の姉妹サイトとして、住宅関連コンテンツを発信しています。人が生活する基本となる「衣・食・住」の中でも、コノイエでは「住」にフォーカスして独自の情報をお届けします。

監修

中野達也

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事
解体工事業登録技術管理者
公益社団法人 日本建築家協会(JIA)研究会員
一般社団法人東京都建築士事務所協会 世田谷支部会員

静岡県出身。日本全国の業者1,000社超と提携し、約10年間で数多くの現場に関与。自身でも解体工事業登録技術管理者としての8年間の実務経歴を持つ。現在では専門家として、テレビ番組をはじめとする多数メディアに出演。これまでに一般家屋はもちろん、マンション、ビルなど様々な建物の取り壊しに従事し、工事を行いたい施主、工事を行う業者の双方に精通している。また、大手から中小まで様々な規模の住宅メーカーへの販促支援、コンサルティング事業に携わり、住宅購入者心理の理解を深める。家を「壊す」ことと「作る」ことの専門家として、全国の提携パートナーと共に家をとりまく様々な問題に取り組んでいる。

出演メディア
ひるおび!(TBS系列)、情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)、バイキングmore(フジテレビ系列)、他多数...

当協会の運営サイト「コノイエ」は、工務店・ハウスビルダー・建築家・建築設計事務所等の500以上のインタビュー記事を掲載。また、新築・建て替えを検討中のユーザーにとって有益となる情報を発信しています。
当協会は、建て替えに伴うお住まいの取り壊しのご相談を年間で2,500件ほど承っており、各地域の住宅関連会社の情報が集まります。今後も「コノイエ」では、新築ユーザー様の発注先や評価、住宅関連会社様への独自インタビューといった当協会ならではの独自のリアルな情報をお届けします。


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