新築を建てるうえで、バルコニーは力を入れたいところの一つです。建物の外観にも機能性にも、大きく関わる部分だからです。
ただ、バルコニーは重要な部分であるだけに、新築してから後悔しやすいところでもあります。 なので、新築計画を立てるときは十分気を付けなければなりません。
この記事では、新築にバルコニーがあると便利な理由と、導入する際のポイントを3つずつお話しいたします。
【要確認】バルコニーには基本的に屋根がない
バルコニーと似たものに、ベランダ・デッキ・テラスがあります。
これらは混同されやすいため、基本的な定義の違いを表にまとめました。 例外もありますが、一般的な定義の区別は以下の通りです。
○基本的な定義の一覧
設置する階 | 屋根 | 柵・手すり | 一般的なイメージ | |
---|---|---|---|---|
バルコニー | 2階以上 | なし | あり | 建物の一部 |
ベランダ | 定義なし | あり | あり | 建物の一部 |
デッキ | 1階部分 | なし | 定義なし | 室内の延長 |
テラス | 1階部分 | 定義なし | 定義なし | 庭の一部 |
重要なのは、バルコニーには基本的に屋根がないという点です。 インナーバルコニーといった屋根付きのバルコニーも存在しますが、単に「バルコニー」といったら通常は屋根がありません。
屋根の有無がベランダとバルコニーの大きな違いであり、建築会社に新築を依頼する際は注意を払いましょう。バルコニーに屋根を付けたいのかどうか、建築会社に対して明確に伝えることが大切です。
新築にバルコニーがあると便利な3つの理由
かつてバルコニーは都会の住宅になくてはならないものでした。庭のない家の場合、バルコニーが洗濯物を干す唯一の場所だったからです。
ただ近年は、屋内でありながら太陽の光を取り込める、サンルームを備えた新築も見られます。ですから、今はバルコニーを付けるのは当たり前とはいえません。
それでもバルコニーを付けると、いろいろと便利になります。サンルームには見られない、バルコニーならではの強みもあるからです。ここでは、新築にバルコニーを付けると便利になることを3点取り上げます。
1.大量の洗濯物や大きな布団が干せる
サンルームは室内である以上、一度に多くの洗濯物を干せません。エアコンの風が洗濯物にさえぎられ、湿気が室内にこもってしまうからです。 除湿器を併用したとしても、すぐに水で満杯になってしまうでしょう。
ですが、バルコニーに洗濯物を干すのであれば、湿気を気にする必要はありません。そのため、サンルームよりも多くの洗濯物を一度に干すことができます。
また、大きな布団も、バルコニーなら干しやすいと考えられます。 サンルームとは異なり、布団乾燥機などを使う必要がないからです。
布団乾燥機は電気代がかかるうえ、換気をしなければなりません。ですから、天日干しできるバルコニーがあると大変便利です。
2.庭の代わりになる
戸建を新築するのなら、庭があると重宝します。ガーデニングはもちろん、DIYの作業場や、子ども・ペットの遊び場としても活用できるからです。
しかし、都市部で広い土地が手に入るケースはまれです。そのため、庭付き一戸建てを新築するのは簡単ではありません。
ですが、バルコニーがあれば庭の代わりとして活用できます。狭いバルコニーであっても、ちょっとしたガーデニングをすることくらいは可能です。
また、ゴミを一時的に保管するスペースとしても役立ちます。臭いの強いものでない限り、蓋付きゴミ箱に入れておけば問題なく保管できます。
3.エアコンの室外機が置ける
2階の部屋にエアコンを取り付ける際は、室外機の設置場所が問題となります。 ですが、バルコニーがあれば室外機の設置場所に困りません。
引用:エムテック|エアコン工事
室外機が2階の壁に取り付けられていると、あまり見栄えが良くありません。また、上図の「立ち下ろし」で室外機を設置すると、泥棒にホースをのぼられて2階から侵入される危険があります。 ですが、バルコニーの内側に室外機を設置するのであれば、そういった問題を心配する必要が無くなります。
新築にバルコニーを付けて後悔しないための3つのポイント
バルコニーにも、やはりデメリットは存在します。ですが、新築の計画段階で対策を講じておけば、後悔することは少なくなります。そこで、新築にバルコニーを設置するときに知っておきたい3つのポイントについて、お話しいたします。
1.建築面積に注意して奥行きを決める
建物を真上から見た広さを建築面積と呼びます。建築面積は土地ごとに上限が定められています。
この建築面積に関しては、バルコニーの部分が建築面積に含まれるのかが問題となります。含まれるとなれば、建物本体を小さくしなければならない可能性があるからです。
法律上は、バルコニーが1m以下であれば、基本的に建築面積には含まれません。1mを超える場合は、バルコニーの先端から1m下がった部分までが建築面積に含まれます。
引用:SUUMO|建築面積とは?バルコニーやひさしは含まれる?延べ面積・延床面積との違いは?
ただし、両サイドに壁を付けたり、下に柱を据えたりしたバルコニーは、奥行きに関係なく建築面積に含まれるので要注意です。
引用:SUUMO|建築面積とは?バルコニーやひさしは含まれる?延べ面積・延床面積との違いは?
建築面積の規制が厳しい都市部に家を建てる場合、バルコニーのために建物本体の広さを削ってしまっては本末転倒です。ですから、バルコニーの奥行きは全体で1m以下に抑えておくのが好ましいといえます。
なお、バルコニーの奥行きを1m以下とするとなると、日当たりが確保しにくくなる可能性があります。せっかくバルコニーを造っても、日当たりが悪ければ魅力は半減してしまいます。
そのため、間取りを考える際は、バルコニーを南や西の方角に配置するのがお勧めです。
2.防犯対策をバルコニー周辺に施しておく
バルコニーにある手すりは、外からの視線をさえぎります。プライバシーを守る効果が期待できる一方、泥棒が姿を隠しやすくなるため注意が必要です。バルコニーは泥棒の侵入経路となりうるので、十分気を付けなければなりません。
バルコニーの防犯対策としては、以下の3つが挙げられます。
- 手すりの目隠しを柵状や半透明にする
- 泥棒がのぼれる足場をつくらない
- 防犯機器を取り付ける
手すりの目隠しを柵状や半透明にすれば、外からベランダの人影が見えるようになります。 人影が動いていると通行人の目に留まる可能性があるため、泥棒が寄り付きにくくなると考えられます。
泥棒がのぼれる足場とは、樹木や物置、外壁の管などです。 足場にされる恐れのあるものは、絶対にバルコニーのそばに配置しないようにしましょう。
防犯機器として代表的なものは、防犯カメラや人感センサーライトなどです。 コスト面で厳しい場合は、防犯カメラをダミーにしてもよいでしょう。
引用:amazon|【最新版288LED】センサーライト ソーラーライト
加えて、窓に二重施錠や侵入防止フィルム、防犯ステッカーを取り付けておくと、なお効果的です。 さまざまな角度から泥棒に心理的な圧力をかけ、ターゲットとならないバルコニーをつくり上げましょう。
3.水道を設置しておく
バルコニーは風雨にさらされるため、こまめな掃除が欠かせません。 排水溝が詰まってしまうと、バルコニーが水浸しになる恐れもあります。
しかし、こびり付いた泥や汚れは、ほうきでは払いきれないものです。 なので水で洗い流したいところですが、水回りが離れた位置にあると、水を運ぶのも一苦労です。
そのため、バルコニーには水道を設置しておくのがお勧めです。 新築後に水道管を追加すると費用がかさんでしまうため、新築時点で水道を設置しておきましょう。
新築のバルコニーについてのまとめ
この記事では、新築にバルコニーがあると便利な理由と、導入する際のポイントを3つずつお話しいたしました。
バルコニーには屋根がありません。 建築会社に依頼するときは、屋根の有無について必ず確認しておきましょう。
近年はサンルームの人気が高まっていることもあり、バルコニーを設けない家が増えています。 ですが、バルコニーならではの魅力もあるので、自分のライフスタイルと照らし合わせて導入をご検討ください。
- 1.大量の洗濯物や大きな布団が干せる
- 2.庭の代わりになる
- 3.エアコンの室外機が置ける
新築にバルコニーを取り付ける際には、後悔しやすいポイントを押さえておく必要があります。 新築前に講じておくべき対策があるため、よく確認しておきましょう。
- 1.建築面積に注意して奥行きを決める
- 2.防犯対策をバルコニー周辺に施しておく
- 3.水道を設置しておく
新築にバルコニーがあると、外観の良さも機能性もアップします。 ぜひバルコニーの導入を検討してみてください。
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