ローコスト住宅への建て替えを検討していると、あまりに安くて少し不安になってしまいますよね。
しかし、現在のローコスト住宅は、徹底的なムダの排除と効率化によって価格を抑えています。ですから、耐震性など建物の基本性能に問題はないので安心してください。
ただ、徹底的に最安値を追求したプランには、「建物が狭い」「間取りが変えられない」といった問題があるのも事実です。
そこで、本記事ではローコスト住宅の安さの秘密と併せて、建て替えでおすすめの価格帯について紹介します。
無理なくコストカット!ローコスト住宅の安さの秘密とは
以前は、ローコスト住宅といっても単に建て替え価格を抑えるだけで、手抜き工事が疑われるケースもありました。
そのため、今でもローコスト住宅といえば「耐震性能が基準に満たない」「水漏れ対策やシロアリ対策が不十分」といったイメージが残っています。
ただ、繰り返しになりますが、現在のローコスト住宅は徹底的なムダの排除と効率化によって成り立っています。
当然ながら、建築基準法をはじめ各種法令に適合するように建てられるので、耐震性などの基本性能にはまったく問題ありません。
そこで、どうやってローコスト住宅を実現させているのか、その安さの秘密についてお話しします。
ローコスト住宅は相場よりどのくらい安いのか?
まず、平均坪単価を使って、一般的な木造住宅に多い30坪の建物に建て替えるケースで費用相場を計算してみましょう。なお、統計などの数字は、次の記事にある情報を用います。
予算帯からチェック!!自宅の建て替え費用の相場について知ろう
2018年度における、日本全国の建て替え費用総額の平均坪単価は、1坪当たり約88.4万円です。ですから、30坪の建物に建て替えるなら、以下が費用総額の相場となります。
平均坪単価 88.4万円 × 30坪 = 費用総額 2,652万円
ただし、上記は建て替え費用総額なので、2,652万円のなかに付帯工事費と諸費用が含まれています。
そこで、建物の本体価格を算出してみます。建物の本体価格は、建て替え費用総額の70%が目安です。
費用相場 2,652万円 × 70% = 建物の本体価格 1,856万4千円
つまり、30坪の建て替えなら、本体価格は約1,860万円が相場です。
ところが、ローコスト住宅の本体価格は坪単価が40万~50万円ほどです。なので、同じ30坪なら、建物本体は1,200万~1,500万円程度で済んでしまいます。
つまり、単純計算では相場と比べて360万円~660万円ほどローコスト住宅は安くなっているのです。
ローコスト住宅は何をコストカットしている?
多くのローコスト住宅では、主に次の費用がコストカットの対象となっています。
- 資材費・設備費
- 設計費
- 人件費(営業)
- 人件費(大工)
- 広告宣伝費
具体的には、以下のように4つの方法で各費用を削減していきます。
方法\削減できる費用 | 設計費 | 資材費・設備費 | 人件費(大工) | 人件費(営業) | 広告宣伝費 |
---|---|---|---|---|---|
1.プラン限定と規格統一 | ◎ | 〇 | 〇 | ||
2.大量一括仕入れ | ◎ | ||||
3.資材のプレカット | ◎ | ||||
4.広告や展示場の縮小 | ◎ | ◎ |
1.プラン限定と規格統一
第1に、プランを限定し、資材と設備の規格を統一します。
方法\削減できる費用 | 設計費 | 資材費・設備費 | 人件費(大工) | 人件費(営業) | 広告宣伝費 |
---|---|---|---|---|---|
1.プラン限定と規格統一 | ◎ | 〇 | 〇 |
毎回注文を受けるたびに一から設計していると、余計な時間がかかってしまいます。ですので、プランを絞り、内容も限定して設計の手間を削減します。
また、プランの一部に変更があっても、パズルのように組み替えるだけなら再設計に時間はかかりません。そのため、資材や設備を規格化し、設計自体をパターン化しておきます。
なお、プランの限定と資材・設備の規格統一を行うと、仕入れる資材・設備の種類が減ります。さらに、大工さんの作業が簡単になるので工期短縮も見込めます。
ですから、資材費・設備費と人件費の削減にもつながるのです。
2.大量一括仕入れ
第二に、大量一括仕入れ、つまり「まとめ買い」を行います。
方法\削減できる費用 | 設計費 | 資材費・設備費 | 人件費(大工) | 人件費(営業) | 広告宣伝費 |
---|---|---|---|---|---|
2.大量一括仕入れ | ◎ |
一度にまとめて買うと割引きが受けられるのは、建築に必要な資材や設備も同じです。そのため、大量一括仕入れを行えば、資材費と設備費が安く抑えられます。資材と設備の規格を統一しているからこそ、可能になるコストカット方法です。
3.資材のプレカット
第三に、資材のプレカットを行います。
方法\削減できる費用 | 設計費 | 資材費・設備費 | 人件費(大工) | 人件費(営業) | 広告宣伝費 |
---|---|---|---|---|---|
3.資材のプレカット | ◎ |
あらかじめ工場で資材を加工しておくことです。プレカットの導入にあたっては、資材の規格が統一されている必要があります。
あらかじめ資材の加工が済んでいれば、現場で大工さんが行う作業が減ります。そのため、工期が短縮され、大工さんにかかる人件費を抑えられるのです。
4.広告や展示場の縮小
第四に、広告や展示場を縮小して、あまりお金をかけないようにします。
方法\削減できる費用 | 設計費 | 資材費・設備費 | 人件費(大工) | 人件費(営業) | 広告宣伝費 |
---|---|---|---|---|---|
4.広告や展示場の縮小 | ◎ | ◎ |
実は、広告宣伝費は住宅の販売価格に上乗せされるのが一般的です。なので、ローコスト住宅の販売においては、過剰な営業や広告を取り止めて価格を抑えるようにしています。
ローコスト住宅のプランから外れる要望はしない方が良い
ローコスト住宅では、紹介したような効率化によって、360万円~660万円のコストカットが行われています。しかし、もしプランにない間取りを要求したり、一括仕入れを行っていない設備を希望したりすると、上記のコストカットができなくなってしまいます。
したがって、ローコスト住宅のプランから外れる要望は、価格がはね上がる原因となるのでおすすめできません。
建て替えでおすすめの価格帯は?満足できるローコスト住宅を見つけよう!
一口にローコスト住宅といっても、価格に幅があります。とことん安く済ませるのであれば本体価格500万円でも家は建ちますが、1,000万円を超えるようなら満足度の高い建物に仕上がります。
そこで、大きく500万円台と1,000万円台の2つのケースに分け、メーカーが実際に提供しているプランを基に、具体的な違いを確認してみましょう。
本体価格500万円台のローコスト住宅はどんな家?
以前は、タマホームやアキュラホームといった大手ハウスメーカーも本体価格500万円台のローコスト住宅を看板商品に掲げていました。
しかし、現在500万円台のプランを取り扱っているのは一部の企業に限られます。また、500万円の本体価格のなかには、建て替えにかかる付帯工事費と諸費用が含まれていません。
参考 新築平屋が580万円から!平屋専門店 みんなの平屋のイベント情報、商品プラン、分譲情報など。平屋専門店 みんなの平屋
すでにお話しした通り、建物の本体価格は建て替え費用総額の70%が目安です。そこで、仮に本体価格が500万円だった場合の建て替え費用総額を算出してみます。
本体価格 537万円 ÷ 70% = 費用総額 約714万円
上記のように、たとえ本体価格が500万円台のプランであっても、建て替え費用総額で約714万円は必要だと考えておきましょう。
なお、「500万円台のローコスト住宅を建てたい」とお考えなら、建て替え費用の最安値ランキングについてまとめた記事をおすすめします。とうぞ、ご覧ください。
【2022年版】低価格で建て替えられる建築会社を10社ご紹介
本体価格1,000万円台なら建て替えプランが豊富にある
大手ハウスメーカーのプランを見渡すと、今の主流は坪単価が40万円~50万円、30坪なら本体価格1,200万円~1,500万円です。
よって、建て替え費用総額を算出するために本体価格を70%で割ると、約1,714万円~2,143万円ほどが必要と分かります。ですが、せっかく建て替えを検討するなら、豊富なプランから選べる本体価格1,000万円台のローコスト住宅がおすすめです。
本記事では具体例として、ユニバーサルホームを挙げます。
ユニバーサルホームは、ほぼすべてのプランに地熱床暖房という独自の暖房システムを取り入れています。
地熱を利用して、室内の温度を下がりにくくするシステムです。気温より変動が少ない、地熱の特徴を上手くいかしています。
地熱床暖房があれば冬場に室温が下がりにくくなるので、快適に過ごせるだけでなく光熱費の節約にもつながります。ランニングコストが抑えられ、長期的にもお得です。
また、商品ラインナップも豊富で、2階建てのプランだけでも10種類以上が用意されています。
坪単価が安いプランに限定すると、以下が挙げられます。
ラビスタ(40万円~50万円)
ラビスタは、リビングの天井を高くして広々とした空間を演出する「ハイリビング」が特徴です。通常の窓の上部に以下のような高窓が付いているため、屋内に光が入りやすくなりリビングが明るくなります。
リビングに設けられた高窓。光が差し込み、部屋を明るい雰囲気にしてくれる。
なお、1階の天井を高くすると、当然ながら2階の床を上げる(天井を低くする)必要があります。そのため、2階は斜めの屋根を活かした落ち着きのある空間に仕立てられています。
リビング真上の2階スペース。斜めの屋根が特徴的で、趣味に没頭しやすいプライベートな空間になっている。
ラビスタは、家族全員が集まるリビングを特に大事にしたい方におすすめのプランです。
ドマーチェ テラスエディション(45万円~55万円)
屋内で激しい運動や汚れやすい作業などをしたくても、フローリングはキズが付きやすく、畳は掃除しにくいのがネックです。そこで、「ドマーチェ テラスエディション」では、室内に土間空間「DOMAテラス」を取り入れています。
「DOMAテラス」は、室内でありながらアウトドアのような使い方ができる。雰囲気もより開放的に。
キズも汚れも心配の少ない土間なら、絵の具を使って絵を描いたり、ペットと遊んだりできます。また、トレーニングやダンス、ガーデニング、バーベキューなどにも適しています。
土間は様々な使い方ができるため、将来ご自身がどんな新しい趣味を持つのか、お子様が何の部活や習い事を始めるのか決まっていない場合でもおすすめです。
参考 【公式】注文住宅、一戸建てならユニバーサルホームユニバーサルホーム
参考 ユニバーサルホームの坪単価の坪単価と総額は?実際に建てた方の実例と価格相場みんなの注文住宅
紹介したように、同じローコスト住宅でも本体価格500万円台と1,000万円台では明確な差があります。
生活スタイルに合った建物に建て替えたいのなら、本体価格1,000万円台のローコスト住宅を選択するのがおすすめです。
なお、本記事ではユニバーサルホームを例に挙げましたが、他のハウスメーカーも1,000万円台のプランを豊富に用意しています。大手ハウスメーカーのローコスト住宅については、以下の記事でまとめています。どうぞ、参考にしてください。
低価格で住宅を建て替えよう!!おすすめのハウスメーカー6社を紹介
まとめ
今回は、建て替えを検討している方に、ローコスト住宅でも安心な理由とおすすめの価格帯について紹介しました。ローコスト住宅といっても、決して手抜き工事が行われているわけではなく、徹底的な効率化によって安さを実現しています。
ですから、建物の耐震性や耐久性などに問題はありません。また、ローコスト住宅には本体価格で500万円台の建物もあれば、1,000万円台の建物もあり、価格に幅があります。
ただし、500万円台のような非常に安いローコスト住宅については、近年あまり見かけなくなってきました。多くの大手ハウスメーカーが、ユーザーの希望を叶えやすい1,000万円台のローコスト住宅を看板商品にするようになったからです。そのため、現在は本体価格1,000万円台のローコスト住宅がおすすめです。
ローコスト住宅への建て替えを検討していても、できるだけ快適なお家にしたいですよね。ですから、ハウスメーカーをしっかりリサーチして、満足できる家づくりを目指しましょう。